
今日は、HSC(HSP)と発達障害の違いについて考えてみたいと思います。
というのも、つい先日、我が家の長男が、「発達障害かもしれない」と言われたのです。
私にそっくりな性格の息子は、HSPの私と同じ「HSC(Highly Sensitive Child)」だと思っていたので、発達障害かもと言われてビックリ!
HSPやHSC関連の本を読んでいると、HSP(HSC)は発達障害ではないけれど、特徴に似ているところがあると書いてあるんです。
似ているけれど、全く違うものなの?
違うとしたら、どこがどう違うの?
色々な疑問が浮かんできたので、専門家でもなんでも無い一主婦ですが、今回調べて学んだことをまとめたいと思います。
「うちの子、周りの子となんだかちょっと違う気がする・・・」と思ったことのあるお母さん、私もそうなんです。そう思って色々調べた結果、「HSCだからだったんだ!」と謎が解けた気分になっていたのに、ここにきて「発達障害」の可能性が浮上・・・。
もし同じように子育てで悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ひとつの例として参考にしていただければと思います。
発達障害ではなく、HSCだと思っていた理由。
息子は今6歳。
6年間育ててきて、「なんかちょっと他の子と違うな」と思っていました。
- 赤ちゃんの頃から、人がたくさんいる場所に連れて行くと大泣きする。
- 4歳ごろまで予防接種で大号泣。待合室から這って脱走しようとする。
- 味や匂いに敏感で、人工的な味が大嫌い。薬や歯磨き粉、フッ素などもNG。何に混ぜてもバレる。
- 音に敏感。ビビリ。落ち着きがない。
- ご飯を食べるのが遅い。好きなものしか食べない。
- 動きが独特。キャラが濃い。ユーモアがある。などなど。
例を挙げると他にもたくさんあるのですが、「なんかちょっと変わってるな」と漠然と思っていました。
そんな中、3歳半検診でも一悶着あり、心理士さんに聴覚過敏を疑われるなどしたため、「もしかして、発達障害?」と心配になり色々調べたことがありました。
3歳半検診での悲劇についての記事はこちら↓
けれど、発達障害の特徴やチェックリストを見てみても、当てはまらないものが結構たくさんあるのです。
- 言葉の遅れがある
- 視線が合わない
- 会話をしても噛み合わない
- 他人の気持ちを察することができない などなど。
このようなことは、当てはまっていませんでした。
そんな中、HSCの存在を知り、その特徴を見て「これだ!」と思いました。
書いてあること、そのまま息子。
「そうか・・・HSCだったのか・・・」と心底納得したのを覚えています。
それゆえに、私は「息子は発達障害ではなくHSCなんだ。」と思い込んでいたのです。
発達障害とHSCの特徴が似ている。違いはどこ?
「ちょっと他の子と違う気がするのは、HSCだからなんだ」と思っていた私でしたが、とある事情で、市の育児相談や支援センターで相談することになりました。
その際、発達障害者支援センターで指摘された、息子の気になる特徴はこんな感じです。
- 急な予定変更などがあると精神が不安定になる
- 対人関係を築くうえで苦手がある
- こだわりが強い
- 好きなことには過度に集中する など。
家に帰って調べてみると、このような特徴は、発達障害の中でも「自閉スペクトラム症」の特徴に似ている部分があるなと思いました。
また、HSCについて書かれた本をめくってみても、同じようなことが書かれています。
(過度に集中する・・・というのは無いかもしれません。)
発達障害(アスペルガー)とHSCの違い
※今現在は、「アスペルガー」という呼び方はなく、自閉症を全てまとめて「自閉スペクトラム症」と言っているようなのですが、読んだ本には大体「アスペルガー」と書いていたのでそのまま書いています。
(自閉症の中でも、言葉や知的な遅れがない人たちのことを「アスペルガー」と言っていたそうです)
似ている点があることはよく分かった。
では、違いはなんなのか?
違う点
アスペルガーには、以下のような特徴もあります。
- 運動面での問題(リズム感がない、字を書くのが下手、動作のタイミングがずれるなど)が多い。
- 遠回しな表現や皮肉が理解できない。
- 秘密を守ったり、顔色を読むのが苦手。
このような特徴は、HSCにはないということです。
また、
場の空気や相手の気持ちに敏感=HSC
場の空気や相手の気持ちを察するのは苦手=アスペルガー
という、ある意味正反対の特徴を持っているとも言えます。
このポイントについては、次で詳しく考えてみます。
HSC&発達障害 私の勘違いポイント
HSPやHSCについては、本などを読んである程度知っていたのですが、発達障害についてはネットで調べた程度の知識しかなかったため、今回発達障害についても少し調べてみたところ、いろいろ勘違いしていたポイントに気付きました。
「息子はHSCなんだ」と思い込んでいた私が、HSCや発達障害について勘違いしていたポイントは以下の2つです。
相手の気持ちを察するのが得意か苦手かで判断した
上の章でも書きましたが、発達障害の中でも、自閉スペクトラム症(の中でも、以前はアスペルガーと呼ばれていた部類に属す人の特徴)とHSCの特徴は似ている部分があると思います。
- 急な予定変更などに対応するのが苦手
- 対人関係が苦手
- こだわりが強い
- 感覚的に敏感
などは、HSPやHSCの解説にも、自閉スペクトラム症の解説にも出てくる特徴です。
けれど、そのふたつの決定的な違いは、「相手の気持ちを察することが得意か苦手か。」だと私は思っていました。
明らかに違うのは、共感性をつかさどるミラーニューロンシステムの働きや、感情や感覚の使われ方がHSPではかなり強く、自閉症では弱いことです。
「敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本」p197より引用
つまり、HSP(HSC)は共感性が高く、自閉症は共感性が低いということですよね。
このようなことが、書かれてあったのをHSP(HSC)の本の中でも何度か見ていたため、そう思っていました。
がしかし。
この度、発達障害についての本も読んでみたところ、大きな勘違いに気付きました。
何事も、「例外はある」ということです。
自閉スペクトラム症であっても、相手の気持ちをよく理解できる人もいるらしいのです・・・
こうなってくると、もう何を基準に発達障害とHSCを見分けたらいいのか、素人には理解不能です・・・
このことについて、HSCの本をたくさん書いていらっしゃる明橋大二先生は次のように言っています。
発達障がいの専門家の中には、「アスペルガーの中にも、人の気持ちをすごく酌む人があるよ」言う人もいるのですけれど、それは私はアスペルガーではなくて、HSCなんじゃないかなと思っています。
「何かほかの子と違う?HSCの育て方Q&A 」p132より引用
むむ。
ということは、やっぱりポイントは「相手の気持ちを察することが得意か苦手か。」なのか。
ただこの辺りは、まだ研究が始まったばかりということで、今はまだハッキリとは分からないようです。
HSCと発達障害が合併している場合もある
さらに大きな勘違いなのですが、「HSCであったら発達障害ではない」と思っていた点。
実際はそうとも言い切れないようで・・・
これを理解する上でのキーワードは。
合併。
HSCと発達障害が合併している。つまり、HSCであり、発達障害でもある人がいるのです。
発達障害でも、自閉スペクトラム症とADHDなど複数の障害が合併している人が多いようなのですが、HSCと発達障害を合併している子供もいるとは知りませんでした・・・
HSP、HSCという言葉の産みの親、アーロン博士も著書の中で、「HSCがADHDだということはありえる」と言っています。(けれど、HSCとADHDは同じものではない。とも)
ネットで調べてみても、「HSPと自閉スペクトラム症の合併だ」と話をされている方のブログも見受けられます。
「HSC」と「発達障害」は別物だけれど、ひとりの人間にこのふたつの特徴が同居することもありえるということのようです。
HSCだと思っていた子供が発達障害だった場合の対応について
私の勘違いのせいで、息子の発達障害の発見が遅れてしまったかもしれない!と申し訳ない気分になっていた私ですが、読んだ本の中に、私の心を軽くしてくれる記載があったのでご紹介します。
発達障害なのに、HSCと誤解したらどうなのか、ということだと思いますが、私は、それはそれほど問題がないと思っています。
何かほかの子と違う?HSCの育て方Q&A p172 より引用
なぜなら、HSCにとって必要な支援と、発達障害に必要な支援は、それほど違いはないと思っているからです。
この本にも書かれていましたが、「HSCなの?発達障がいなの?」と判断に迷うような場合は、発達障害といえど、いわゆるグレーゾーンにいる子供たちだと思うのです。
ちょっと前なら、クラスに何人かいた「あの子どこか変わってる」「ちょっと落ち着きがない」「なんか乱暴だな」程度で済んだ子供たち。
もともと、「ここからが障害で、ここからは健常です!」という明確な線引きがないのが発達障害です。
それならば、個性の範囲と言われるHSCでも、発達障がいかもしれないと言われる子供でも、必要な支援にそれほど違いがないというのも頷ける話かなと。
そして、ここでも出てきました。
どちらにとっても大切なのは、
自己肯定感を育むこと。
だそうです。
HSCでも、発達障害グレーでも、大切なのは「自己肯定感。」
生まれ持った障害があっても、ひといちばい敏感なHSCであっても、
「大多数の人とは違うかもしれない。けれど、自分は自分で良いんだ。」と思えるようになって貰えることが大切なのですね。
参考にした本リスト
今回いろいろと調べるうえで、参考にした本の一部をご紹介します。
私は、ただのHSP気質持ちの素人主婦なので、HSCや発達障害等について、間違って解釈をしている部分もあるかもしれません。
「もっと詳しく、正しい知識が欲しいな〜」と思った方がいらっしゃいましたら参考にしてみてください。
本家本元なだけあって、めちゃくちゃ詳しくHSCについて書いてあります。
HSPの方が読んでも大変参考になる本だと思います。
読書が得意な方向け。
字も大きい、イラストも可愛い、漫画で分かりやすい、カラフルで見ていて楽しい!
HSCについての基本的な知識をサラッと学ぶのに最適。
https://hsphaha.com/review/
実際にHSCを育てている方からの質問に回答する形なので、
それが知りたかったんです!と思う部分が多かった本。
可愛いイラストがいっぱいでとっつきやすいイメージの本だが、
その対処法、実行するの結構ハードル高いな・・・と思う部分もあった。
これを読んで、発達障害に対するイメージが変わりました。
サブタイトルは、「生きづらさを抱える少数派の「種族」たち」。
一見、HSPのこと?と思ってしまいますよね。
発達障害は、HSPよりさらに少数派の、生きづらさを抱える種族なのかもしれません。
まとめ:HSCか発達障害かに関わらず、自己肯定感を育むことが大事。
HSCと発達障害について、学んだことをまとめてみました。
- HSCと発達障害は別物。
- けれど、HSCと発達障害は合併することもある。
- HSCと発達障害は特徴が似ているので判断難しいが、グレーゾーンの子であればHSCと対処に大きな差はない。
ということで、今日の時点でのまとめとさせていただきます。
これから息子も小学校入学を控えていますし、なるべく「生きづらいな・・・」と思うことが減るように、「自分は自分で良いんだ」と思っていけるように、手助けしていけたらと思います。
自己肯定感の低い母親が、自己肯定感の高い子供を育てられるのか!?
不安ではありますが、やれることからやっていこう。
コメント
子供がADHDと自閉スペクトラムと診断されています。発達障害かどうかは色々検査した後、凸凹のグラフを見て判断されました。
5歳の息子は言葉やワーキングメモリ(一時的な記憶)が苦手で、図形や写真など目で見るものが得意です。なので、定型発達の子よりそのグラフが凸凹になるんです。
小さい頃からスーパーのロゴを覚えたり、5歳にして漢字を真似て書いたりと得意な事の成長はものすごいです。
私自身HSPなので、子供もHSCかと思っていましたがそう言う面で診断がつきました。
発達障害といっても、日常生活や人とのコミュニケーションに問題がなければ、個性として見てあげたらいいそうです。うちの子も人の感情を読むのは苦手だけど私と旦那が喧嘩している空気はすごく敏感に分かっていてびっくりします。
私も子供の自己肯定感を上げる為に日々奮闘中です!!
同じような経験をされている方からのコメント、ほんとありがたいです!
まだ記事にはできていないのですが、実は我が家の息子も6月に自閉スペクトラム症と診断されました。
心理検査の結果には、大きな問題はないのだけれど、小さい頃の様子や今の状況、幼稚園の先生の話などから、そういう判断になったようです。
「人の感情を読むのは苦手だけど私と旦那が喧嘩している空気はすごく敏感」というの、めちゃくちゃ分かります!!
そういうところがあるから、まさか自閉症だなんて、思いもよらなかったです。
全く空気が読めないわけじゃないんですよね!興味ある分野の記憶力が異常に良いというのもすごく分かります。
小学校に入り、ちょっとしたトラブルは多発しているようなのですが、大きな問題にならないうちは、個性としてみていきたいと思います。
なんだかちょっと普通と違って、見ていて面白いですしね(笑)そして、ピュア!
子供の自己肯定感を上げる野と一緒に、自分の自己肯定感も上げていきたいですね!
コメント嬉しかったです(^^)ありがとうございました!!